To the start line -Resume

アメリカMBAフルタイム就活第二弾はレジュメについてです。
レジュメはとても大事です。
これで合否が決まると言っても過言ではない気がします。
レジュメにはいくつかの役割/側面があるので、まずはそこから説明したいと思います。

Search Engine Optimization

役割その1はたくさんのレジュメプールの中からリクルーター等の最初の人間の評価者の元へたどり着くことです。
オンラインから正規のルートで応募する場合や、Referralの場合でもReferral Systemを使う場合、リクルーターは恐らく応募された全部のレジュメを見ることはありません。それぞれのシステムが特定のキーワード等でフィルタリングを行い、そのフィルターにマッチしたものだけが、リクルーターの元に届きます。
なので、どんなにいいことを書いてて、読めば「こやつ、やるな!」と思われるレジュメでも、フィルターに引っかからないと、人の手に渡る前に闇に葬り去られます。笑
なので、まずはJob Descriptionから重要なキーワードを取り出す、Job Descriptionには載ってないけどその仕事をするために必要なはずのスキルは何かを考えて、それらのキーワードを盛り込む必要があります。
人気企業の人気職種だとJob Descriptionに直で載ってるキーワードだけではフィルターの機能をなさない場合が多い(そのキーワードを盛り込む人だけでも十分多い)と思うので、後者のいかに筋のいい裏キーワードを思いつけるが大事になってきます。自分の学校の卒業生等、中で働いている人に知り合いがいる場合はその人に話を聞いて実際どんな風に仕事をしてるかを理解しその理解を元にキーワードを考えるのも効果的だと思います。

Very First Impression Management

これも基本ですが、大事です。
レジュメは大体面接の際に面接官が見て興味を持ったことを聞きます
…が、その前に多くの場合面接官は面接前にレジュメに目を通してcandidateがどんな人か想像します。
よく「第一印象が9割」という言葉を耳にしますが、本当の第一印象は面接が始まる前のレジュメを見るタイミングで形成されます。レジュメに書いてある経歴の軌跡からあなたがどんなスキルを持っているか/持っていないか、レジュメに書かれていない部分も想像されますし、一個一個のブレットポイントのトーンからなんとなくpersonalityも想像されます。それらの想像が事実と全然違う物だとしても、その人の第一印象としてそのイメージを持たれます。
ので、レジュメの役割その2は面接を有利に運ぶための第一印象を面接が始まる前に面接官に植え付けることです。
基本的には面接官に「こいつ仕事できそうだな」と「こいつと一緒に働いたら楽しそうだな」と思わせることができれば、成功だと思います。
上級編として、あえて実際と違ったイメージ(実際よりちょっとしょぼめに見えるようにする等)を持たせといて、面接でそこに食いつかせて、「と思うじゃないですかぁ、でも実はですねぇ…」と言ってレジュメよりもすごい本当の姿を見せることでポジティブサプライズで攻めるというのは超効果的ですが、実際よりしょぼめに見えても面接には呼ばれるレベル以上の経験に見えなくてはいけないし、イメージのひっくり返し方もポジティブに映らなくてはいけないし、何より100%の確率で面接官にその経験の質問をさせなくてはいけないので、難易度/リスク高しです。
どちらのケースも実際に面接をしてみないことには面接官がどう思ったか知ることはできないので、というか初めのうちは面接してもわかんないことが多いので、たくさん面接をして面接の結果に合わせてレジュメを改善していくという作業が必要になります。Mock Interviewで友人やキャリアセンターの人に聞くというのもありですが、やはり実際の面接官がどう思うかは実際の面接官じゃないとわからないので、たくさん面接をしないと本当に効果がある改善はできないと思います。

ということで、順番としてはまずSearch Engine Opitimizationで面接に呼ばれるレジュメを作る→面接をたくさん受ける過程でFirst Impression Managementを改善していき面接の突破率をあげる、というのが王道かなと思います。

Be Rational

フォーマットについてです。
多くの場合学校のキャリアセンターからは学校指定のフォーマットが一番効果的だからそのフォーマットに従うようにと言われます。ボクも実際初めの時期はそれを言われまして、実際インターンは学校指定フォーマットのレジュメでオファーをもらいました。
が、果たしてそのフォーマットが(一般論ではなく)自分の受けるポジションにおいて最適かどうかは考える必要があります。
確かにオンキャンパスやオフキャンパスのMBA採用に関しては(彼らはMBAに価値を見いだしているため)学校のフォーマットが効果的だったのですが、ボクの場合、フルタイム就活のオフキャンパス経験者採用の「超人系」ポジションへの応募では学校のフォーマットは使いませんでした。学校のフォーマットの場合、Educationのセクションが一番上に来るのですが、Product ManagerやData Scientist系のポジションの場合、ボクの経験の中での一番のウリが「MBA」ではなく、実際のProduct ManagerやData Scientistとしての職務経験だったので、Experienceのセクションが一番上に来るようにし、受けるポジションによってExperienceの一番上に来る経験がProduct ManagerかData Scientistになるようにしました。例えばProduct Managerのポジションを受けるときはレジュメの最初が夏のインターンのProduct Managementの経験にして、2年生の秋冬にやったコンサルプロジェクトや春にやった最新の経験のData Scienceは、Experienceの下にProjectというセクションを別途設けてそこに記載するという感じでした。
こういう工夫を加えることでレジュメをパッと見た感じ「おお、この人はこのポジションをやるためにキャリアを積んできたんだな」という印象を与えやすくなります。

どういうフォーマットを使うのが一番いいかは受けるポジションや自身の職務経験によるので、自分で複数バージョンのレジュメを複数のポジションの応募に使ってA/B testingやMultivariate testingをしつつ(そこまで科学的にやる必要はないですが)試行錯誤してどのアプローチが自分にとってベストかを決めればいいと思います。

Multi-Context

最後に内容についてです。これもよく言われていることですが、自分の意図したメッセージがちゃんと読み手に伝わるかの確認はすごい大事です。
自分がこういうつもりで書いたのにその意図が伝わっていなかったということはよくあります。特にテクニカルなポジションを受ける場合、最初の読み手はテクニカルな知識のないリクルーターで次の読み手はテクニカルな知識がとてもあるHiring Managerである場合が多いので、テクニカルな知識のある人、ない人のどちらにも意図したメッセージが伝わる必要があります。また、リクルーターに伝えたいメッセージとHiring Managerに伝えたいメッセージが違う場合もあるので、一つの文で違うロールの人に違うメッセージが伝わるかどうかも試す必要があります。
ボクはこれをやるために、あえてキャリアセンターでもテックに明るくないアドバイザーに読んでもらって、それぞれのブレットポイントからその人が何を読み取れたか聞いて、そのフィードバックを元にトーンやメッセージの調節をしていきました。Hiring Manager向けのメッセージはテックに明るいアドバイザーと同じ作業をして調整しました。全然バックグラウンドが違う人達からフィードバックをもらうので行ったり来たりの作業がかなりありますが、最終的にどちらからも意図したメッセージが伝わるようになると、そのレジュメは相当強いレジュメになったということになります。
ただ、もちろん伝わったメッセージがそれぞれのロールの人に対して「こいつはできる」という印象を与えるものでないと、良くない印象が正しく伝わったところで落ちるので 笑
第一にはどんなメッセージが効果的かリサーチするところから始めるべきだということは一応言っておきます。リサーチは実践(面接)を通してか自分の希望するポジションで働いている人(卒業生等)と話をして、何が響くのか試していけばいいと思います。

ということで長々と書きましたが、レジュメについて書きたいことはだいたいかけたと思うので、これでレジュメ編おしまいです。笑
あとで何か追加で思い出したら書き足します。

To the start line -Overview

さて、今ハワイにいます。
朝ごはんのレストランに入るのを待ってる間に更新してます。
実に3ヶ月ぶりの更新ですね。
この3ヶ月はずっと就活をしてました。
インターン就活も大変でしたがなんとかなったし、
インターン先でもMBAの人はまず経験しないようなことを経験してたので
フルタイム就活はまぁ余裕でしょうと思ってましたが、
実際やってみると死ぬほど難しかったです 笑

ただ本当にラッキーなことに多くの人に助けてもらい
最終的にはなんとかなりました。
サンフランシスコにあるUBERというライドシェアリングの会社で
Finance Product ManagerというタイトルですがHead of Analytical Platformとして彼らのFinance Operation用のAnalytical Platformをゼロから作る仕事をやります。

就活は主にデータプロダクトマネージャーという会社側が必ずしもMBAをターゲットとしていないポジションを狙っていたのでMBAのキャリアセンターはあまり頼れず、自分で勝手に色々試しながらやってました。
色々独自にやったので、結果の出始めた終盤からは他のUCLAの同級生で就活している人達にアドバイスを求められたりコーチングをしたりしたのと、オファーをアクセプトした今、キャリアセンターともテックの新しい分野での就活の仕方や、独自にやって効果があったアプローチ等について、今季以降のキャリアセンターのプログラム改善のためのフィードバックを求められているので、いつも通りMBA就活の全てが終わった今、MBA向けのアメリカ就活のノウハウには結構自信があります 笑
ということで今回もまたインターンシリーズ同様、何個かに分けて、個人的に学んだフルタイム就活のノウハウ等ブログでシェアしていこうと考えています。

今回はとりあえず大枠でMBAの人がアメリカでするフルタイムの就活にどんなタイプがあるのかとそのタイムラインについて書こうと思います。

オンキャンパスリクルーティング

まずはMBA、それもその学校にターゲットを絞ったオンキャンパスリクルーティングがあります。
倍率は学校と会社によりますが、UCLAでは多くの会社でだいたい4、50人受けて2、3人採用する感じな気がします。ので全タイプの中で一番倍率が低く、かつ競争相手も具体的に誰だか分かるので対策も一番しやすい、たぶんMBAフルタイム就活の中では一番確度の高い方法です。
またこういう採用をする会社ではMBA採用プロセスが確立している場合が多く、かつMBAに価値を見出している場合が多いので、ビザサポートが必要なインターナショナルの学生も採用される可能性は十分にあります。特にキャリアチェンジ(職種の変更)を目的としてMBAに来た場合、オンキャンパスリクルーティングが王道パターンになると思います。
弱点としては、採用時点でポジションの具体的な職務内容は決まっていないことが多く、基本的には就職というより就社的性格が強いので、具体的に卒業後やりたいことがある人にとっては実際自分のやりたいことができるかどうかが運任せになるので注意が必要です。

オフキャンパスリクルーティングMBA採用

基本的にはオンキャンパスリクルーティングと一緒です。
その会社に個別に学校をまわるためのリソースがない場合やリソースがあっても自分の学校がその会社のターゲットから外れている場合、その会社が行っている全米向けのMBA採用プログラムに応募します。
複数校からの応募があるので応募人数は多いですが、その分採用人数も多いので、トータルではオンキャンパスより若干倍率が高い程度だと思います。
弱点もオンキャンパス同様、ポジションの具体的な職務内容が採用時点で決まっていない場合が多いことです。自分なりの方法(配置プロセスを理解した上でプロセスの要部分の人達と強力なコネを作っておく等)がないと、入ってみたら自分のやりたかったことと違ったとなる可能性があるので注意です。もしかしたらファイナンスとかだと業務の幅が他の職種(マーケティング等)程広くないので、ある程度自分の満足できる職に着く可能性が高くなる等はあるかもしれません。

オフキャンパスリクルーティング経験者採用

俗に言う普通の転職活動です。アメリカでは多くのマネジメント系のポジションでMBA Required、もしくはMBA Preferred となっているので、そういったポジションではMBAホルダーは非ホルダーに比べて若干有利ですが、普通の経験者採用は基本現時点で1名必要だから求人を出しているので、どんなに優秀な人がたくさん見つかっても、基本的に採用人数は1人なのと、即仕事開始できなくてはいけないという縛りがあることが多いです。また、こういうポジションの場合MBA新卒、非MBAに加え、MBA卒業後の職務経験がある人達も受けて来るので、基本的に競争は熾烈です。倍率も1000倍越えはわりとざらにあります。

このカテゴリーはさらに、一般的にその仕事をできる人が世の中に結構いそうな「コモディティ系」と、その仕事をできる人は世の中にほとんどいなそうな、非常に高度な専門性を(しかもポジションによっては複数個)求められる「超人系」の2つに分けることができます。
ちなみに語感から「コモディティ系」の就活は簡単そうなイメージを受けるかもしれませんが、会社側からするとその仕事ができる人は比較的簡単に見つかるので、あなたがその仕事ができるからといって、必ずしもあなたをとる必要がないという意味なので、「別にビザスポンサーにコストがかかるインターナショナルなんかとらなくてもアメリカ人で同じレベル以上のやつが簡単に見つかるでしょう」となり、一般的にインターナショナルが「コモディティ系」の仕事を獲得するのは実はかなり難しいです。実力での差別化は無理なので、運/数打ちゃ当たるで乗り切るかその他の差別化要素(Hiring Managerやその上司やチーム全員に人間として特別に気に入られる等)が必要になります。
「超人系」は響き通り、ストレートに難しいです。笑
一番のハードルは世の中に持っている人がほとんどいないが世の中で求められていそうな高度に差別化されたスキルを持つことです。
高度な専門性が必須なので、純粋に実力勝負になるのですが、逆に言うと会社側もそもそも要件を満たす人材を見つけるのが非常に難しいので、実力さえあればビザのサポートが必要だろうがオファーの条件にちょっとわがままを言ってこようが採用される可能性が非常に高くなります。

僕は基本上記の全タイプを経験しましたが、アウトラインを説明すると、2年生の秋学期の初め、中盤まではオンキャンパスリクルーティングを少しだけやり、2年生の秋学期の終わりにオフキャンパスリクルーティングMBA採用でとあるテック大企業から応募もしてない日本ポジションのオファーをもらったのですが、日本ベースだったのとポジションが自分の将来やりたいことに直結していなかったのでお断りをさせてもらい、冬学期春学期は自分のスキルを上げることに注力し、卒業後オフキャンパスリクルーティング経験者採用で「コモディティ系」と「超人系」の両方の就活をし、特に「コモディティ系」でコテンパンに落ちまくり心が何度も折れる中、「超人系」はやっているうちに次第に道が開けていき、運のいいことに「超人系」のオファーを2つ同じタイミングでもらうことができ、その2つを吟味して1つに絞り、相手方オファーを使って交渉して条件を少し整えてアクセプト、という流れでした。

UCLA Andersonのキャリアセンターは、MBAのキャリアセンターなので特にオンキャンパス、オフキャンパスMBA採用とオフキャンパス経験者採用の「コモディティ系」に知見を持っていて、それらのプロセスを辿る際ボクも非常にお世話になったのですが、「超人系」に関してはほぼ知見がなかったので、自分で試行錯誤しました。
ということでうまくいったのも自分なりにノウハウを積み上げたのも「超人系」ポジションの就活なので、今後の就活関係のポストはアメリカで「超人系」ポジションの就活をする場合というのが前提になります。MBAでキャリアチェンジをしたい等でそれ以外のタイプのポジションをターゲットにする場合は恐らくどの学校でもキャリアセンターにノウハウがたまってるはずなので、それを活用してください。

これから何個か就活関連のポストをするので、MBAからアメリカでの就活を考えられてる方はちょっと今後の数ポストは注目してみてください!

※ちなみに「超人系」というワードチョイスはrebuild.fmのProduct Managerについてのエピソードのタイトル「Superhumans Wanted」にインスパイアされてます。笑
Product Managerに興味ある方は聞いてみてください。Product Managerの話は25:30くらいから始まります。テック詳しくない方だと39:55秒くらいから聞き始めるといいと思います。

CTO Material

この前友人のhirogwaさんと話の流れで、
最近のMBAでよくある、
テック経験のない人の始めるテックスタートアップの
CTOのイケてない確率の高さについて雑談したので、
その辺を主にMBA関連の人向けに説明してみようと思います。

注1: ただの独断と偏見です。笑

注2: 基本的に、エンジニアリングのバックグラウンドがない人が
MBA在籍中に始めたSoftware/Internet Service系のスタートアップ
を想定して書いてます。

注3: 知ってる人の数的にアメリカ中心で持った印象です。

注4: エンジニア等テックバックグランドのある人には
多分当たり前過ぎるので「あるあるー」と共感してもらった後に
rebuildのこのエピソードを聞いたり
この辺の記事を読んだりしてください。笑

MBAでよく見かけるCTOの選び方

1. テックのトレンドをたくさん知っている

たまにテック企業のMBA採用も(ビジネスサイドは)
初めのHRスクリーニングでこんなこと気にしてる会社もありますが 笑
CTOをこの観点のみで選ぶと多分終わります 笑
このタイプの人達はフィージビリティを考えないまま
あれこれ最新のツール/ソリューションの提案をしてきます。
多くの場合、
最新のツールを使う=イノベーティブ=いいこと
というのが彼らの使うロジックなので
エンジニアは振り回され疲弊します。

2.コードがすごい書ける

これも1.と同様で基準の一つとしてはよいのですが、
これだけでCTOを選ぶと多分苦労します。
CTOの仕事のメインは、(スタートアップ超初期を除けば)
コード書くことではないので、
コードがすごい書けるけどCTOのコアの仕事をしたことがない人だと
CTOとしては正常に機能しないかもしれません。


こういう選び方をしてしまう背景には

ウェブサービスやソフトウェアプロダクトを作るということ
=コードを書くこと→コードが書ける人がCTOがいい!

作るプロダクトをイケてる感じにする
=最新のトレンドを使う。→最新のトレンド知ってる人がCTOがいい!

という発想が、CEOの頭の中にあるからなんじゃないかなーと思います。
こう考えてしまうのは、ボクが思うに
プロダクトを作るというのはどういうことを意味するのか
に関しての理解がないことに起因してる気がするのですが、
経験なしにプロダクトを作ることがどういうことなのか
想像するのは至難の業です。
そして、それがテックバックグランドを持ってないファウンダーが
CEOをやる時に叩かれる根本的な原因だと思います。

が、バックグラウンドがあろうがなかろうが、
やりたくなってしまったものは仕方がないことので 笑
とりあえず下記は知っておいた方がいいと思います。

ソフトウェアエンジニアリング

プロダクトを作るという作業で一番イメージしやすいのがコーディングですが、
プロダクトを作ること=コーディングではないです。
ソフトウェアエンジニアリングについてちゃんと書こうとすると
スーパー長くなってしまうので、そういうのはまた今度にしますが、
ハイレベルなところだけ超簡単に書くと
ソフトウェアエンジニアリングは大きく分けて

  • 要件定義:できるべきことを決める
  • 設計:要件をどう実現するか決める
  • コーディング:設計に応じたプログラムを作る
  • テスト:要件が実現しているか確かめる
  • 運用保守:出来た製品を使っていくことの管理

というタスクがあります。
世の中には色々な開発手法があり、
開発手法によってそれぞれのタスクをまわすサイクルが違ったり
タスクの単位が違ったりしますが、
製品/サービスを作って世に出してユーザーに使ってもらう
という過程で、エンジニアサイドではこの5つはほぼ必ず通ることになります。なのでCTOは上記全てのタスクについて体で分かっている必要があります。
全てのタスクについて分かっていないと、例えば
「この設計をすると運用フェイズでこういうことが起こった時に問題が起きそう」
といったタスクを跨いだ潜在的な問題に気付けないです。

CTOの仕事

では、CTOは何する人なのか、ですが、
CTOは基本的にはエンジニアサイドの物事を決める人だと思います。
大企業で言うところのTech PM+PMOの職務兼任的なイメージです。
システムの全体デザイン(どういう仕組みで動くか)を決めたり、
開発体制/手法を決めたり、
運用保守の仕組みを決めたり。
プロダクト全体の要件定義もCEO等他のステークホルダーと恊働ですが、
CTO主導で行われるべきだし、
設計もエンジニアと恊働ですがCTO主導だと思います。

スタートアップの超初期ではCTOもコーディングすることが多いですが
それはCTOの職務だからではなく、
単純にエンジニアリングのリソースが足りないからです。
別にそれ自体は全くもって悪いことではないですし
むしろ普通のことですが、
近視眼的にコーディングスキルだけ注目してCTOを採ると
どこかのタイミングで運用まわらなくなったり
すごい複雑な仕組みのわりに
ユーザーのメリットがいまいちないプロダクトになってしまったり
中長期的に困ることになる可能性が多分にあるので、
気をつけた方がいいです。

じゃあCTOにどんな人を採ればいいのか

CTO as Tech PM + PMO

ソフトウェアエンジニアリングを全部経験した人を採りましょう。
コーディングも最新のトレンドも
自分達の作ろうとしてるプロダクトのビジョンを理解してシステムデザイン/開発手法等の全体像に落とし込んだ上で
そのコードやトレンドが
その中のどのピースになるのか/ピースとしてどういう意味があるのか
考えて意思決定できる人がCTOになるべきだと思います。
あと個人的には
プロダクトライフサイクルの各フェイズも
経験している必要があると思います。
スタートアップだからといって新製品開発に特化した人だと
ライフサイクル後期に露見する問題を設計段階で予見するのは
難しいかもしれません。

またエンジニアリングチームをリードする際、
エンジニア経験のない人が「〜することに決めたから」
というと、たとえそれが正しい決断だとしても
エンジニア達からは
「え〜、あいつやったこともねぇくせに何言ってんだよ〜、
これだからトップがエンジニアじゃないってダメなんだよ〜」
と言いたくなりがちですが、
エンジニア経験のある人が同じことを言った場合は
「あ〜、まぁあの人が言うんだから
きっとこっちのチャレンジも織り込んだ上での決断だろう」
と思われやすくなります。
(…まぁもちろん人柄とかエンジニアとしてのスキルとか
色々他にも影響与える要素はありますが)

ちなみにエンジニアの中にも色々なタイプがあって
例えばコーディング等特定のタスクを専門でやってきた人、
大企業で既に確立しているプロダクトをやった等の
プロダクトライフサイクル後ろ側だけやってきた人、
その逆でローンチフェイズのスタートアップを渡り歩いて
プロダクトライフサイクルの前側だけやってきた人等々。
なので同じエンジニアでもしっかり見極める必要があります。
で、こういうこと言うと
「そんなの全部やってきた人なんていないよ〜」
と思われるかもしれません。
まぁ実際数は少ないと思いますが 笑
別にその全部について
スーパースターエンジニア並に出来る必要はなく、
その全部について、意思決定(上述の人がついてくるとこまで含めて)
が出来るだけの能力があればよいかと思います。

CTO as Communication Bridge

ビジネスサイドが分かる人を採りましょう。
ソフトウェアエンジニアリングの中で全部のタスクが大事ですが、
その中でも特に要件定義と設計は大事です。
要件定義/ロードマップ作成は
ビジネスとしての重要性とエンジニアリングの大変さ
のバランスをとりながら行われるべきで、
CEOがビジネスのことしか分からなくて
CTOがエンジニアリングのことしか分からないと
議論は平行線を辿ります 笑
またシステムデザイン等いろいろな意思決定のJustificationも
それぞれがビジネス的にどういう意味があるのか
きっちり伝えられる人じゃないと、
予算やその他のリソースの振分の議論ができません。
例えばQA(テスト)チームを作るタイミングの話をする時に
1)バグのもたらすユーザーとビジネスへの潜在的なインパクトと
2)QAチームを置くことによってどの位回避できるのかの試算と
3)QAチームを置くコストが分からないと
QAチームを置こうかどうか判断できないと思いますが
ビジネスバックグラウンドしかないCEOが分かるのは
せいぜい3)だけで
CTOが1)と2)の答えを出す必要があるのですが、
テックバックグラウンドしかない場合は
1)のビジネスへのインパクトまでは分からないかもしれません。

ちなみに
CEOがMBA仕込みのコミュニケーション能力で打破する
というのは相当非現実的だと思います。
まず現実にそういうことができている
ビジネスバックグラウンドオンリーのCEOを
未だかつて見たことがないのと 笑
どんなに相手からものを引き出すのがうまかったとしても
引き出すものがそもそもない場合は引き出せないからです。


ということで実際あんまりCTOに適した人って
そこらへんにゴロゴロいる感じではないと思います。笑
なので、もし見つけたらしっかり捕まえるのが大事なのと
あるいは足りない部分を意識的に育てる感じでやっていくのも
いいかもしれません。
スタートアップは時間が勝負のことが多いので
あまり悠長にはやってられないかもしれませんが。